生きづらい人と一緒に働く!千葉県市川市のソーシャルファーム

私たちについて

こんにちは。私たちのWebサイトを見に来ていただき、ありがとうございます。代表の小林園子です。ここでは、「企業組合We need」について、もう少し詳しくご紹介したいと思います。

We needとは一体何なのか。どうやって誕生して、どんなことを目指しているのか?

少し長くなりますが、ここに書いてみたいと思います。よかったらお付き合いください。

We need代表 小林園子

 

私は2015年までの約10年、社会福祉士であり作業療法士として、市川市内の医療機関や福祉事業所で精神疾患を抱えた方の支援者として働いていました。一緒に働く仲間にも恵まれ、今思い出しても、とても楽しい貴重な時間を過ごさせてもらったことは、間違いありません。

ですが、支援者である自分自身が「良かれと思ってすること」は、同時に相手に「支援をされる存在である」ことを強います。今の事業を始めようと思ったのは、そんな違和感が募り「支援関係の中にいられなくなった」というのが、正直なところです。

では、何をしようか? と考えた時に、今までとは違う関係性を築ける場を創りたいと思いました。

「人は、支援されるだけでは元気にならない。」

支援-被支援の向き合い方ではなく、それぞれが自分の目標やチャレンジに向かって進む過程を一緒に歩めるような。そんなイメージだけが頭にありました。

突然ですが、「ソーシャルファーム」という言葉をみなさんはご存じでしょうか。ファームと言っても、農場のことを意味しているわけではありません。

ソーシャルファームは「中間的就労」や「社会的企業」と訳され、

  • 障がいのある人々や労働市場において不利がある人々を雇用するためのビジネスである
  • 不利な立場にある人を30%以上雇用していること
  • 福祉の補助金などに運営を依存せず、通常の商取引による収入が5割を超えていること

などと定義されています(Social Firms Europe CEFEC より抜粋)。

 

日本国内では先駆けとして東京都の「ソーシャルファーム条例」が設立されたものの、まだまだ馴染みがありません。ヨーロッパや韓国ではメジャーな会社形態らしく、一万社を超えるほど存在すると言われています。

私がこの「ソーシャルファーム」という言葉に出会ったのは、2018年。事業を始めてから何年も経った後でしたので、もともと私たちがソーシャルファームを目指していたわけではありません。

ですが、時には社会の側が作り出している「社会的不利=生きづらさ」の部分を、障がいや障壁ではなく「特徴」として捉える在り方、一人ひとりが真の「戦力」として雇用されていること、何より多くの人に「働く喜び」を創りだすという考え方に深く共感し、地域の中でソーシャルファームとしての役割を担いたいと考えるようになりました。

支援者をしていたころに感じていた、もう一つの大事なことがあります。障がいを抱える方にとって、働き方の選択肢があまりにも少ないということです。

就労型の障害福祉事業所(全国平均1万6000円前後で推移)の賃金を得るか、一般企業で障がい者雇用枠でをフルタイムに近い形の障がい者で働くか、もしくは「障がい」を隠して働くか。ちょっと極端な選択肢のように思いました。

自分が自分であることを隠すことなく、「大変なのは自分だけじゃない」という安心感の中で働ける場があってもいいんじゃないか。

「生きづらさ」や「雇われづらさ」を生み出しているのは、制度や社会の問題も大きいはず。であれば私は、障害を抱える本人へ変化を促すのではなく、安心して働くことでモチベーションが内側から本人を変えていくような、そんな仕組みを創ることに注力したいと思ったのです。

それは私たちの最初の活動理念、「生きづらさを抱えた人が安心して働ける仕組みを創る」につながる想いであり、「(前職を)退職してでもやってみたい!」と思う原動力となりました。

「支援だけではない関わり方があるはず」という想いからスタートしたWe need。「中間的就労」に託した私の夢は間違っていなかったと、今は自信を持って、皆さんにお伝えできます。

実感するのは「仕事は人を変える」ということです。「仕事」や「働くこと」自体を美化するつもりはありません。勤労は義務かもしれないけど、それ以前に権利であるはずです。

仕事は人に「誇り」と「自信」を与えます。
仕事は、人と社会に「つながり」と「役割」を生み出します。

働きたいと思う人が、働ける。挫折したって失敗したって、もう一回チャンスがある。誰かと一緒に安心して迷える場所がある。そんな世の中にするために、We needは少しずつ前に進んでいきます。